【書評】シャーロック・ホームズ「四つの署名」を読む
英国が生んだ世界的ベストセラー。アーサー・コナン・ドイル著書。英題「The Sign of Four」。
シャーロック・ホームズシリーズ長編小説の第2作。
月刊誌「リピンコッツ」1890年2月号発表。
出典:光文社文庫 訳者 日暮雅通
この本は、シャーロック・ホームズのシリーズ第2作となります。
第1作の「緋色の研究」も記事を書いてますので、ご参考ください。
本書は、このような方におすすめの1冊です。
- 「緋色の研究」から続く物語が知りたい
- コナン・ドイルが描くロマンス&アクションが読みたい
目次
「四つの署名」は、どんな本?
著者の「アーサー・コナン・ドイル」はどんな人?
本作は、「緋色の研究」から2年後の1890年に発表されています。
コナン・ドイルが29〜30歳の時の作品です。
プロフィールは、第1作「緋色の研究」でご紹介していますので、ご参考ください。
翻訳者の「日暮雅通さん」は、どんな人?
プロフィールは、第1作「緋色の研究」でご紹介していますので、ご参考ください。
「四つの署名」は、どのようなあらすじ?
若い女性依頼者と不思議な手紙
「あまりに暇すぎてコカインを打つ」というのは時代背景の様子。当時は一般的に購入できたそうです。
ある時に訪れた若い女性の依頼者「メアリー・モースタン嬢」。
彼女が持ち込んだ話と手紙が、今回の事件の始まりとなります。
先の見えぬ夜の冒険
謎の館に招かれていき、夜の冒険は事件へと続いていきます。
この冒険の先に訪れる結末には、いろいろと驚きました。
冴えるホームズの「追跡」
前作は「罠」で犯人を捕まえました。本作のホームズは「追跡」です。
如何にして犯人まで辿り着くか。冴えに冴えるホームズの推理と追跡行動に注目しましょう。
犯人の独白
謎の手紙、インドでの出来事、メアリー嬢の父親の消息など、事件の全貌が犯人から語られます。
「四つの署名」の主な舞台
本作はロンドン中をあちこち、渡り歩いています。
イングランド 首都ロンドン
ライシアム・シアター
現実に存在する劇場です。
物語では劇を鑑賞するわけではなく、待ち合わせ場所として登場します。
ウェストミンスター橋
ロンドンに訪れたら1度は行くであろうスポット。
近くにはロンドン・アイ、ビッグベン、ウェストミンスター寺院、ウェストミンスター宮殿、セント・ジェームズ・パークなど多くの人がイメージするであろうロンドンの姿があります。
ホームズ達は、ここから船に乗り込み犯人達を追います。
インド 都市アーグラ
物語ではインドが登場します。当時のインドはイギリスの植民地となっていました。
アーグラという都市は、タージマハル神殿が有名です。
「4つの署名」の注目の人物たち
メアリー・モースタン嬢
今回の依頼人さん。
ホームズのヒアリングも物証でお応えするしっかりさんです。
彼女の勇気が今回の物語と、とある人の運命を動かしました。
アセルニー・ジョーンズ刑事
今回の事件を担当する刑事。最初はいけ好かない雰囲気でしたが、後半ではホームズ達と夕食をしたり捜査したりと、良い刑事として描かれていきます。
トービー
ホームズももう一人(?)の相方であり、MVP。彼がいなかったら捜査は難航していたことでしょう。
1896年にドイツ警察で導入されたのが始まりとのこと。日本だと1912年のようです。
参考:警察犬 (Wikipedia)
ウィギンズ少年と仲間たち(イレギュラーズ)
前作でも登場した、ホームズの指示によって動く宿なし少年団。ウィギンズ少年はその中のリーダーで描かれます。
本作では「ベイカー街の不正規隊-イレギュラーズ」とホームズは呼んでいます。
まとめ
「緋色の研究」よりも探偵してる印象のホームズです。
この先で何が待ち受けるのかドキドキしながら読めるので、ミステリーの王道を感じます。
辻馬車に乗りながらどこに向かっているのか、ホームズは通りの名前を上げながら理解しているシーンが地味に凄い。
最後に印象に残った、ホームズのセリフです。
ホームズが恋愛できる日はくるのだろうか。
恋愛なんて、感情的なものだよ。すべての感情的なものは、ぼくがなによりも大切にしている冷静な理性と相いれない。判断力を狂わせるといけないから、ぼくは生涯結婚しないつもりさ。
新訳シャーロック・ホームズ全集 4つの署名 アーサー・コナン・ドイル 日暮雅通=訳 より。