【広瀬隆雄氏】2020/2/8 自己紹介 このチャンネルで何を学ぶことができる?

2021年5月8日

“じっちゃま”こと、広瀬隆雄氏によるYoutubeライブメモ
2020年2月8日 広瀬隆雄の自己紹介 このチャンネルで何を学ぶことができる?

目次

はじめに

本チャンネルの紹介

このチャンネルでは、アメリカ株、新興国株、欧州株、FX、世界経済や政治に関する話題を取り上げたいと思います。なぜ、このような話を説明していくのかというと、1番良い方法として自己紹介するのが良いかなと思いました。

自己紹介

1960年の広島生まれの60歳。今はアメリカの1番南、フロリダに住んでます。

一口にフロリダと言っても、マイアミみたいな都会ではなくて、Pan Handle。このあたりは「エメラルド・コースト」と呼ばれてます。海の色がエメラルド色だからです。

また別で、「レッド・ネック・リヴィエラ」 と呼ばれることもあります。白人が日焼けすると首が赤くなる。リヴィエラは南フランスのリゾート地を指します。つまり、「貧乏人達のカンヌ」(笑)自虐が利いてて、僕は、この表現も可笑しくて好きです。子供の頃は瀬戸内海地方で住んでいて、海の近くに住みたいという願望を持っていました。

これまでの経歴 日本編

中学・高校は岐阜県でした。大垣北高校。

慶応大学の法学部・政治学科。当時の政治学科はランクが低くて入りやすかった。大学4年間は遊んで過ごしました。女の子追い回したり、バンドやったり。就活は全然やらなかったので、ゼミの先輩に引っ張れるままに青木建設に入りました。

京都の現場に配属されて、朝5時起きで吹きっさらしの外の水道で職人さん達のお茶碗洗ったり、帳簿つけたりしていました。

で、こういう仕事は合わないなと思い一念奮起して、プラント輸出のコンサル会社に転職しました。中東のクウェートにいき、いわゆるアドミ業務(例えば工事契約など)を担当していました。つまり典型的な、お醤油日本人で、社会人になるまで英語も出来なかったし、飛行機にも乗ったことなかった。

三洋証券時代

1980年後半で原油価格が高騰してプラント不況がきました。

そして、「これからは金融だな」と思い、三洋証券という証券会社に転職しました。当時は木場に東洋最大のトレーディングルームを建設すると発表していました。本社1Fロビーに、その模型を見た時に、「この会社、ダメかもしれない・・・」と思いました(笑)交通の便がひどくて、社員から不評だったことに加えて、過剰投資かなと感じました。

これまでの経歴 海外編

SGウォーバッグ時代

その後、イギリスのマーチャントバンクでSGウォーバッグという会社に転職しました。勤務先はニューヨーク・オフィスでした。1988年の頃。それ以降、アメリカにずっと住んでいます。最初は日本の投資家にアメリカ株を売る仕事になり、そのうち顧客がだんだん広がっていき、売る商品も増えていきました。

たとえば、90年代前半は湾岸戦争があった関係で、アメリカ株はキツイ状況でした。一方で、メキシコ株やブラジル株などの新興国株が非常に良い時期でした。新興国株投資を覚えたのがその頃です。
1990年に日本のバブルが弾けて、日本の投資家が元気をなくしていきました。その頃から、上司にアメリカの投資家担当を言い渡されました。

最初はUSスチールのカーネギーペンション・ファンド (企業の年金基金)からスタートしました。、バリューの投資顧問・。一例としてニューチャル・シリーズ・ファンズ。ここは、マイケル・プライスという当時有名なリードポートフォリオマネージャを担当しました。

あと、TVでよく出てるジム・クレイマーというヘッジファンドのマネージャも担当していました。その後、グローバルな機関投資家を担当するようになりました。たとえばシンガポール投資庁(GIC)、ブルネイ投資庁、カナダの投資庁などを担当しました。

H&Q (JPモルガン)時代

1995年にネットスケープという会社がIPOして、「おぉ、インターネットって面白そうだな」と感じました。サンフランシスコで、H&Qというテクノロジーのブティック投資銀行に転職しました。H&Qはアップル、ジェネンテック、アドビ、ネットスケープ、エクソダス(データセンター会社)、エフファイ、シーベル、エヌヴィディア、リジェネロン、ギリアドなどを手がけた投資銀行です。来る日も来る日も、ドットコムバブルで明け暮れる日々を過ごしました。

ヘッジファンド時代

2000年にドットコムバブルが弾けて、2003年にH&Qを合併したJPモルガンをクビになったので、友人のヘッジファンドに引っ張ぱられて暫く机を拭いてました。そこで、ヘッジファンドの設立や運営方法を教えて貰っていました。

友達がスイスのプライベート・バンクが僕にお金を預けたいと。何考えてんのかね(笑)それでヘッジファンドを作って、最初は良かったんですけど、カモがネギしょってきたような感じになり、顧客との相互理解が無かったんですね。それで険悪になってお金を返しちゃいました。

投資顧問〜現在

ヘッジファンドの設立にあたり投資顧問の器だけが残っていて、自分のお金転がして、日本のネット証券にレポート出したりして、今に至ります。もう子供も巣立ってて、ワイフと二人で老後・余生を過ごしています。

QAコーナー

インヴァスト証券もトレーディングルーム作ったね (笑)

インヴァスト証券、新しく移転しましたね(笑) インヴァスト証券にもレポートを提供しています。ETF Gate Wayという オウンドメディアですけどね。

フロリダは地球温暖化の影響でヤバイですか

意外とマイアミがヤバイと言われています。上水道の水源が低い土地にあるため、マイアミは水没しないけど、飲水が無くなってしまうリスクが指摘されています。

ジャクソンビル近いですか?

車で3時間くらいだと思います。ハイウェイ10で1本です。

日本株には興味ないんですか

あんまり興味ないですね。時々、そろそろ安くなってきたので、日本どうだろうなとチラチラは見てますよ。でも、四季報とか見て「うわ。。こらとっても買えんわ」と、嫌悪感・嘔吐感を覚えたりして、日本株が勉強できてない状況です (笑)

主義は「Better Lucky than Smart」

僕の主義は「Better Lucky than Smart」 というもの。賢い・腕が立つ・相場が上手いということは大事だけども、それよりも、投資環境の良いところ・ラッキーになれる場所を探して、自分がどんどん移動していく態度が重要なんじゃないかな思うんです。

ベアマーケットにつける薬は無い

投資を30年以上やっててつくづく感じるのは、「ベアマーケットにつける薬は無い」ということ。どんなにトレーディング技術が上手くてもボラティリティが無い凪のような相場だと稼げない。あるいは銘柄選択が上手くてもベアマーケットだと儲からないです。そんなところで意地を張るより、もっと環境の良い所にシフトしていけば良いんです。

三洋証券時代の教訓

当時日本株のPER は60倍くらいで、ちょっと高い。バブルが弾けたら目も当てられないぞということで、日本株より外国株の方が良いと決断した。それで1988年のバブル崩壊2年前に鞍替えする決断をしました。もし鞍替えしてなかったら、悲惨なことになっていたと思う。闘う場所が悪すぎて、今のようにレポート書いたり、セミナーしたりは出来てなかったかもしれない。正しいマーケットに自分の身を置くということは大事だと思います。

H&Q、ヘッジファンド時代の教訓

1995年にニューヨークから、サンフランシスコに移ったんだけども、ドットコム・インターネットをやりたいと思った。ヘッジファンドを作った時は、ドットコムは無理な状況で、新興国だけをやるヘッジファンドをやりました。BRICs です。2003年から2011年くらいまでは新興国の株が凄くアウトパフォームしたんです。

今、どこに向かえばラッキーになれるかということが、1つのマーケットを極める、日本株だけを極めるということより遥かに大事なことだと思います。

ブルマーケットをホッピングするということですね?

はい。単純に言えばそういうことです。

昔は出来なかったのね。タイとかインドネシア株などの現地情報を知るのは、機関投資家の中でも、ごく一部の機関投資家に許されていたのね。インフォメーションコスト (現地情報) を取ることが凄く難しかった。

でも今は、世界中の株が買えるわけだし、現地に行かなくても情報が得られます。世界の株情報が日本語で、ほぼリアルタイムでどんだけでも取れます。

だから、理由が無いんです。日本株に拘泥する理由が。もし、日本株が世界の他のマーケットと比べて有望だということであれば、すぐ入りますよ。お金大好き・儲かることが大好きな人間なので(笑)儲かれば何でも良いんです。でも、日本株が世界で1番儲かるかと言うと、そうは思わない。だから、日本株は扱わないんです。

現在の買いルールは自分で考案したものですか、それとも誰かに教わったのですか

自分で考えたことですね。

今の相場はドットコムバブルに酷似している

今の旬な相場観を僕なりに言うと、今は1995年のアメリカ株の状況・ドットコムバブル時に酷似していると思っています。ハイテク・知識集約的な産業が世界市場を引っ張っていく状況。PER がどんどん大きくなっていく環境(マルチプル・エクスパンション) に我々は置かれています。

だから、今後は投資ストーリー・エキサイティングな良いストーリーを持った銘柄がちやほやされていく相場展開を考えてます。しかし、ストーリーが良いだけでは株価が上がるとは限りません。ストーリーの良い会社がキチンとエクセキューション。つまり四半期ごとのキチッキチッと決算ができる。そのようなことが出来なければダメだと思うんです。持ってる意味が無いと思う。

なぜ、決算至上主義なのか

今フォーカスしていることは、前提としては、良いストーリーを持つ株ですが・・・実は、エキサイティングなストーリーを持っている株というのは、無数にあります。砂浜の砂と一緒 (笑)

なぜ、「ストーリーが凄い!」と感じるのは、不勉強だからです。むしろ、ストーリーの無い株の方が珍しいくらい。つまり、ストーリーには惚れないでください。どこにでも転がってるコモディティなんです。価値があるのは、ストーリーに対して、キチンと毎期・毎期で前進していける会社がレアなんです。

決算至上主義と自分では言っていますが、ストーリーを無視しているからではないです。夢を具現化するための日々の着実な活動を、企業がキチンと出来てるか。夢に向かって前進できているかということに注目しています。

Don’t Listen to what people say (人の言うことは鵜呑みにするな)

アメリカでは「Don’t Listen to what people say」と教わります。「Look at what their doing」です。つまり、人の言ってることではなくて、何をしてるか観察しろということを教わります。決算を分析するということは、実際に夢に向かって歩めているか、それを検証する作業が重要なポイントです。

宇宙旅行、興味ありますか

もう歳だから、そいうのはどうでも良いですね (笑)

でも・・・イーロン・マスクのスペースX がIPOするかもしれないので、もしIPOしたら投資しようかなって思います。

イーロン・マスク、どうでしょうか

面白い男だとは思うけどね (笑)

ちょっと変わってる経営者だとは思うけど、エクセキューション力・実行に移す力がしっかりある人だとは思います。

各国、利下げしてますが、株式に影響はありますか?

それは影響あると思っています。

実際に、今アメリカではマルチプル・エクスパンション(株価収益率の拡大)が起こってますよね。これはバブルの第1歩なのですが、マルチプル・エクスパンションの起こっている始まりが1番美味しいチャンスなんです。

マルチプル・エクスパンションは、去年から始まっているのだけども、今は2年目。これが3年続くか、5年続くかは分からないけども、僕はまだ入り口に違い・始まって間もないと感じてます。

中国経済、大丈夫でしょうか

結構、心配しています。元々、新型コロナが流行りだす前から中国経済は減速していました。また、中国政府の考え方として、経済がスローダウンしそうになったらすぐに景気刺激策を打つスタイルでした。

しかし、ここ数年は控えようとして、債務の縮小・不健全な融資・債務整理に注目してて、景気刺激は後回しになっている。これにより中国のGDP成長が下がってきて、2020年のGDP成長は +5.6〜5.7%くらいは覚悟しないといけないかもしれない。

ただ、先日新型コロナの影響で、「流動性を市場に供給する」と発表されてたけども、昔の中国政府のやり方と比較すると非常に大人しい景気支援策だったと考えてます。

以上です。