【企業調査】Zoom – 公募増資に市場好感

2021年5月8日

先日の記事の続報です。
Zoom Video Communications, Inc (ティッカー:ZM、以下 Zoom)が、2021年1月12日に約17.5億規模の公募増資を発表しました。早速の材料投下に市場は好感。見事に公募価格を守りきり、株価は大きく上昇に転じました。本記事では、公募増資の目論見書と増資結果をざっと見ていきます。
・公式ホームページ : Zoom Video Communications, Inc
・先日の記事 : 【企業調査】Zoom – 公募増資に市場好感

目次

はじめに

約17.5億ドル規模の公募増資を発表

2021年1月12日に、Zoom が公募増資が発表しました。(目論見書 – Sec.gov EDGER

  • 公募株数:5,147,059株(Class A) /グリーンシュー (追加オプション) : 735,294株 (約14.3%)
  • 公募価格 : 1株 – 340$ (1/13に値決め)
  • 想定規模 : 17.5億$
  • 引受人 (Underwriter):J.P. Morgan

引受人は J.P. Morgan のみ

今回の公募で、ちょっと話題になっていました。
2019年のIPO時は様々な証券会社が名を連ねていましたが、今回は J.P. Morgan の1社です。
広瀬隆雄さんが、この背景をユニークに解説されていました。こちらを紹介します。

https://twitter.com/hirosetakao/status/1349339796578058241

目論見書からZoomのストーリーを読む

公募の目論見書に目を通すと、改めて Zoom の目指していることに色々と気づきます。
興味深いセンテンスをいくつかご紹介します。

あくまでもコアは「Zoom Meeting」である

Zoom の基本戦略は、コア・サテライト戦略です。
コアは「Zoom Meeting」であることを、ストーリーでもしっかり語っています。

The cornerstone of our platform is Zoom Meetings, around which we provide a full suite of products and features designed to give users an easy, reliable, and innovative video-first communications experience.

Form 424B5 (2021/1/13) – Zoom – Sec.gov

2020年で、3億人が利用し、3.5兆分間の会議が開かれた

この1年で大きく利用者が広がりました。
2019年は1000万人だった利用者が、4月時点で3億人が利用して、10月時点で3.5兆分間の会議が開かれたそうです。

As a result of the COVID-19 pandemic, we have experienced unprecedented usage from free users and new and existing customers.In April 2020, our platform surpassed more than 300 million daily meeting participants, up from approximately 10 million as of December 31, 2019, and as of October 31, 2020, our annualized meeting minutes run rate was more than 3.5 trillion.

Form 424B5 (2021/1/13) – Zoom – Sec.gov

2024年の市場規模が470億$、Zoom Phone (PBX市場)が230億$と予測

今期の Zoom 売上高が20億$ほどの見通しです。
つまり現時点で4〜5%ほどですね。ここからどれだけのシェアを取っていけるのか、引き続き決算を追っていきたいと思います。

Many customers also choose to implement Zoom Rooms, our software-based conference room system, which enables users to easily experience Zoom Meetings in their physical meeting spaces. Based on International Data Corporation’s Worldwide Unified Communications and Collaboration Forecast, 2018-2024, we estimate that the total market opportunity for our platform could exceed $47 billion by 2024, and that the market opportunity for Zoom Phone specifically could exceed $23 billion by 2024.

Form 424B5 (2021/1/13) – Zoom – Sec.gov

同日にZoom Phone 100万ライセンス突破を発表

公募増資の発表と同日に、Zoom Phone が100万ライセンス突破を発表しました。
昨年秋のZoomtopia でも強調されていましたが、Zoom は、このPBXクラウドサービスに力を注いでる様子が伺えます。今回得た資金も、この領域あたりの開発投資やM&Aで使われるのかも知れません。
Zoom Blog – Zoom Phoneへの100万の祝辞

公募の結果

大幅に株価が上昇

結果は、見事に大成功でした。
市場はこの公募を好感しており、買い支えの攻防もほどほどに大きく上昇して引けています。

おわりに

先日の記事で、Zoom は「攻めている」と書きました。
今回の公募で市場が好感しているのを見ると、とてもタイミングが良かったのだな感じます。
様々な理由で企業は公募されますが、今回は良いディールのモデルで勉強になりました。
このような材料を日々出して攻勢していってこそ、ハイパーグロース銘柄でしょう。
ここからどのように動くのか、Zoom はどこに向かうのか。
引き続き、注目していきましょう。