【書評】シャーロック・ホームズ「ボヘミアの醜聞」を読む
英国が生んだ世界的ベストセラー。アーサー・コナン・ドイル著書。
英題「A Scandal in Bobemia」。
シャーロック・ホームズシリーズの短編小説、第1弾。ストランド誌 1891年7月号発表。
出典:光文社文庫 訳者 日暮雅通
この本は、シャーロック・ホームズの第3作、短編シリーズ第1弾となります。
以前の作品も書評していますので、ご参考ください。
このような方におすすめの1冊です。
- ベイカー街を離れたワトソン博士とホームズのその後が読みたい
- 前作で恋愛しないと豪語していたホームズ。彼が意識した女性を知りたい
本書以前の物語についての記事はこちらです。
・第1作:長編「緋色の研究」の記事
・第2作:長編「四つの署名」の記事
目次
「ボヘミアの醜聞」は、どんな本?
著者の「アーサー・コナン・ドイル」はどんな人?
本作は、「緋色の研究」から3年後の1891年に発表されています。
コナン・ドイルが30〜31歳の時の作品です。
プロフィールは、第1弾「緋色の研究」でご紹介していますので、ご参考ください。
翻訳者の「日暮雅通さん」は、どんな人?
プロフィールは、第1弾「緋色の研究」でご紹介していますので、ご参考ください。
「ボヘミアの醜聞」は、どのようなあらすじ?
すごく怪しいマスク姿の依頼人が登場
前作で結婚してベイカー街から新居に引っ越したワトソン博士。
その後しばらく忙しい日々を過ごしていた合間、ベイカー街を訪れたところから物語は始まります。
今回の依頼人は、いかにも怪しい姿の男性です。
ターゲットは超美人の女優が持つ写真
依頼人にとっては人生を左右する写真のようです。
写真を取り返すのも探偵の仕事だろうかと気にはなりますが、ホームズは変装を屈指して挑みます。
冴えるホームズの「脚本」
前々作は「罠」、前作は「追跡」と称しました。本作はホームズは「脚本」です。
彼が描いた脚本通りにワトソン、そして会話すらしていないアイリーンが動きました。
その結末は如何に。
「ボヘミアの醜聞」の主な舞台
ポーランド 首都ワルシャワ
ワルシャワ大劇場
1833年に竣工した歴史的建造物であり、国立オペラ座バレエ団の本拠地とされています。
アイリーン・アドラーさんは、ここでプリマドンナをしていました。凄い人ですね。
ボヘミア王国(現 チェコ西部地域)
1198-1918年まで存在していた王国です。
第一次世界大戦後に解体して、現在はチェコ北西部地域を指します。
「ボヘミアの醜聞」の個性的な脇役たち
フォン・クロム伯爵 (ボヘミア王)
お忍びでやってきた今回の依頼者です。怪しいマスクが雰囲気でてます。
一瞬でホームズに見破られたり、気前がよかったりと、とても味のあります。
アイリーン・アドラー
今回の標的となる女性です。
なぜ彼女が標的となったのか、どのような立ち回りをするのか注目しましょう。
まとめ
本作はホームズ vs 女優というお話。
ホームズという脚本家が描いた通りに物語は進みますが、誤算が生じます。
精密な思考を持つホームズに感情の揺さぶりをかけた女性。
それは恋愛感情だったのか。または別の感情だったのか。
想像を巡らせてみるのもシャーロック・ホームズの楽しみの1つになります。
シャーロック・ホームズにとって、彼女はつねに「あの女性」である。ほかの呼び方をすることは、めったにない。ホームズの目から見ると彼女は、ほかの女性全体もくすんでしまうほどの圧倒的存在なのだ。
シャーロック・ホームズの冒険 ボヘミアの醜聞 アーサー・コナン・ドイル 日暮雅通=訳 より。